恋の病 あぁどうして、愛してしまったのかしら。 愛してはいけないと言われたわけではないけれど、言われるまでもなく決められていること。私があなたを愛するなんて、あってはならないの。 あぁどうして、愛してしまったんだろう。 僕が君を愛するなんて、許されるわけがない。許されないというより、そんな感情が生まれる可能性なんてこれっぽっちもなかったはずなのに。 それでも私はあなたを求めている。 どうしてかしら、こんなにも正反対の私たちなのに。……正反対だからこそ、きっと求めるんだわ。 それでも僕は君を求めている。 こんなにも正反対の僕たちだけど、正面から向かい合うことができたなら、きっとそのとき僕たちは一つになれる。 あぁ、あなたの傍にいたい。 あぁ、君とひとつになりたい。 これはきっと恋の病。治る見込みは今のところ、まったくといって、ない。けれど病は時として、思いもよらない奇跡を起こすから。 「右手と左手がくっついてはなれないなんて、そんな症例見たことも聞いたこともないですね……残念ですが私では…………」 「そんな……!!」 end ……ギャグですよ? 070509(初出050628) 睦月 朔 |